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  • 清掃・洗浄
  • 2024.05.22

グリーストラップの清掃について

飲食店や食品工場にあるグリーストラップですが、適切な管理の仕方や清掃頻度は皆さんご存じでしょうか。
グリーストラップの意味や管理方法などをご説明します。

グリーストラップはなぜ必要?

グリーストラップの設置は事実上義務付けられていますが、実は設置する明確な基準は定められていません。
建築基準法関係規定(昭和50年建設省告示第1597号)により、「汚水に油脂類が多量に含まれる場合は、排水管の機能を妨げないようにするため、又は排水管を損傷させないようにするためにグリーストラップを有効な位置に設置すること」といった記載がありますが設置基準がなく非常に曖昧な記述になっています。

ただしグリーストラップの設置に関しては「下水道法」「水質汚濁防止法」でも定められています。
「下水道法」では排水基準が決められており、基準を超過する場合はグリーストラップの設置が必要とされています。下水道法は各自治体によって基準が異なりますが、これによって事実上、設置が義務付けられている状態になっています。

グリーストラップの働き

上記の規定にもあるようにグリーストラップは油を含んだ汚水が排水管の動きを妨げないようにする装置(油水分離阻集器)です。食材のくずや、ごみを集める働きもします。
実際にグリーストラップに入ってきた汚水は図のような流れで油を分離させます。

グリーストラップは3槽の構造になっていて、それぞれの槽には役割があり汚水が各槽を通ることで食品の残渣と油を分離させ排水しています。

【1槽目】残渣カゴを設け、食品の残渣を集めます。
【2槽目】水と油の比重を利用し油分を上に浮かせることにより水と分離させます。
【3槽目】油分がなくなった汚水を排水します。

グリーストラップの清掃について

グリーストラップは上記のような働きによって汚水から油を分離させていますが、適切な清掃を行っていないと汚泥や油の塊、スカムなどが排水管に詰まったりしてオーバーフローを起こしたりします。
そのため下記を目安に清掃を行うことをお勧めしています。
清掃箇所清掃頻度
バスケット内の清掃(1槽目)1回/毎日
槽内浮遊物(油脂分)(2層目)1回/1週間
槽内全体(汚泥、スカム)1回/1か月
流出口1回/2~3か月
流出トラップ1回/2~3か月
弊社では月1回の槽内全体の清掃を「グリーストラップ天然石鹸化工法」で清掃を行っています。
この清掃方法は槽内にある油脂分と弊社の特殊アルカリ液剤を混合させることで油を鹸化させ石鹸水に変えます。その石鹸水を使用して清掃を行うため、環境にも配慮した清掃方法になります。

他にもお店の方が清掃しやすいように「グリセット」も販売しています。
牛乳パックの端材を再利用した油のみを吸着する「ミルトル」油を鹸化させる特殊アルカリ液剤の「グリセット洗浄剤」のセットになります。清掃時間も約15分ほどで終わらせることができます。

バキュームの必要性

グリーストラップの清掃といえばバキュームを毎月行わないといけないと思っている方もいらっしゃいますが、実は毎月実施する必要はありません。1か月に1回槽内全体の清掃を行うことが推奨されているため、その内容を基に業者が行っているだけになります。

グリーストラップの状況にもよりますが、バキュームだけで月3万~6万かかっている所が多いですが、先程紹介させていただいた通り、グリセットなどを使用して店舗様自身で清掃することでバキュームの頻度を年2回などに抑えることもできます。

まとめ

グリーストラップの仕組みと清掃についてご紹介させていただきました。
飲食店、食品工場で必ず悩みの種になるグリーストラップの管理方法ですが、仕組みや清掃のやり方などを知ることで毎月のコストや異臭の改善などを行うことができます。

弊社でも清掃やバキュームなどを行っていますが、月1回行うだけでは環境は変わりません。
簡単でいいのでまずはお客様自身で清掃することがグリーストラップの環境改善には一番効果的です。