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  • 清掃・洗浄
  • 2024.04.25

界面活性剤の成分と働きについて

1937年、日本で初めて合成界面活性剤が発売されました。安価で大量に生産できるため、気が付けば洗剤、ボディーソープ、シャンプー、その他の掃除用洗剤など多くの種類の合成洗剤が家の中にあふれています。そんな界面活性剤の成分と働きについて紹介しま
す。

界面活性剤とは?

一般的に界面活性剤は「脂肪酸ナトリウム」「脂肪酸カリウム」の成分を「純せっけん」と呼んでいます。それ以外の界面活性剤は合成界面活性剤、別名合成洗剤と呼ばれています。

界面活性剤は水と油の両方の性質を持っていて、本来であれば混ざり合わない物質の間にある境界を変化させることで、水分と油分を混ぜ合わせることができます。この効果により汚れを落とすことができます。

界面活性剤の5つの性質

湿潤・浸透作用

毛糸やウールなどの繊維を水の中に入れても水を弾いてしまい、なかなか濡れることがありません。
これは水の分子同士の引き合うチカラが大きいためになりますが界面活性剤を加えるとこの力(界面張力)が下がり繊維の中に水が簡単に入っていきます。

これは簡単に実感できる方法があり、コップに水を入れその上に毛糸を浮かべます。
その状態だと毛糸は水の中に沈みませんが、合成洗剤を1滴たらすだけで毛糸が水の中に沈んでいきます。

乳化・分散作用

界面活性剤は水と油を混ざり合わせる性質がありますがこれを乳化作用といいます。
ススのような粉状のものを水の中にいれた場合も同様に界面活性剤を入れない場合は水とススは交じり合わないため、ススが水面に浮かんできますが界面活性剤をいれるとススは水中に散らばります。

再付着防止作用

水面にススが浮かんだ状態で布を入れると布にススがついてしまいますが、界面活性剤を入れるとススが界面活性剤の分子に包まれます。界面活性剤同士はお互いに反発するため汚れが再付着しないようになります。

界面活性剤の危険性は?

界面活性剤は様々な効果を持っている便利な物資ですが、その反面地球環境や人体に及ぼす影響が問題視されています。界面活性剤がなぜ危険だと言われるのか、適切に使用するために正しく理解しておく必要があります。

界面活性剤の毒性

界面活性剤は当初、脂肪酸ナトリウムなどの天然成分を原料とする石鹸で、生分解性に優れ環境への影響は低いものでしたが、環境にやさしい反面、洗浄力が弱く汚れがあまり落ちませんでした。

そこで洗浄力を高めるために石油由来の合成洗剤が発明されてきました。コールタールを硫酸化、分岐型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)、ノニルフェノールエトキシレート(NPE)などに代表される合成洗剤が多く使用されましたが、生分解性が悪く河川汚染などの弊害が明らかになっています。環境汚染の結果「エンドクリン作用」を及ぼす可能性もあります。

合成界面活性剤の人体への影響

石油系の合成界面活性剤は人体に影響を及ぼすものもあります。そもそも人体には合成界面活性剤を分解する機能が備わっていません。
侵入してきた合成界面活性剤は体内を巡って肝臓などの臓器に蓄積され、「エンドクリン作用」を及ぼすおそれがあるほか、経皮毒による症状(手荒れやかぶれ)などさまざまな病気の遠因となるとする考え方もあります。

エンドクリン作用とは

界面活性剤が及ぼす影響として有名なものとして「エンドクリン作用」があげられます。
先程、記載したように合成界面活性剤は生分解性が低く環境に長く残り分解の際に性ホルモンに似た物資を生成します。

これらの物質に汚染された海洋環境で暮らす魚や動物、水を摂取した人間などに、内分泌作用のかく乱や生殖機能障害といった症状が現れることがあります。これを「エンドクリン作用」といいます。

植物性の界面活性剤は安全?

これもよく質問されますが、ヤシの木由来や天然植物由来の界面活性剤だから安全と記載がある商品がありますがこれは正しくありません。まずは成分表示をみて「合成洗剤」と書かれているかを見てください。
合成界面活性剤は石油・植物両方からつくることができ、ヤシの木などの植物が原料だとしても同じ構造、同じ物質の成分になりますので毒性も安全性や環境に対する影響も変わりません

特に気を付ける必要がある界面活性剤

ラウリル硫酸Na(ラウリル硫酸ナトリウム)、ラルリル硫酸塩、ラルリル硫酸トリタノール、ポリエチレングリコール、エデト酸塩、トリエタノールアミン、スルホン酸Na、ラウレス硫酸Naなど

まとめ

界面活性剤は便利な反面、使用されている成分や体への影響を再確認し使用する必要があります。
5つの性質でもご紹介した通り、1滴でも水の中にいれると効果を発揮しますが浸透性が高いため人体への影響も懸念されます。再付着防止作用も機能的にはいいですが”界面活性剤同士が反発する”ため再付着しないということは水の中に入れるだけで界面活性剤が他の布にもすぐに付着してしまいます。

肝心の汚れ落としに関しては乳化作用を用いているため、同じ乳化作用を期待するのであれば苛性ソーダ・界面活性剤を使用せず、無機質の食品添加物のみを使用している安全性も高いミラクルクリーナーZをお勧めしています。